蛸田窯・作陶日記

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2005年 12月 27日

「了入」の赤楽茶碗

火曜日(晴れ)13℃
よく晴れた日が続いている。外は小雪が舞っているが、案外あたたかな朝だ。
「百陶展」は疲れた、たった5日間の開催なのだが一日に応対出来得る人数には限りがある、多分35人くらいが限度かと思う。大雪の中遠路ご来展いただいた方々に心より御礼申し上げます。

 会期中にはとても印象的な来訪者があった、それは以前にもBLOGで紹介した桃山時代の高麗井戸茶碗の完品を見せてくれた友人で”茶道具”を扱っているY氏が会場に楽九代”了入”(1756〜1834)の赤楽茶碗を持って来てくれた事だ。 楽の茶碗を予々手に取って直に鑑賞したいと願っていたので、思いがけない幸運にとても興奮した。 又それが”了入”の茶碗だった事も願ってもいなかった事であった。
 10年ほど前に楽美術館を訪れた事があってそのとき以来の思いであった”楽茶碗”の手取りを確かめる事が出来た。 その茶碗は、結構篦跡のはっきりとした大振りな作行きの茶碗で、長次郎の作を追求していた”了入”以前の時代の作とは随分違う”了入”独自の作風の確立された後の物か、もしくは少し前の”のんこう”の作風を追求していた時期のもののようで、景色や釉調は”のんこう”の「鵺」を思い出させるような所もあり、赤楽だが黒色の景色も合わせた大胆な雰囲気であった、見込みは殆ど荒々しい篦刷りで胴締め3段に仕上げられており、大きく深い変形した茶溜まりも作られていた。 手捏ね成形の茶碗が”楽茶碗”の本筋のように現在云われているがその元祖は真にこの”了入”が盛期に確立したもので、この茶碗はそれを如実に表現している茶碗であった。 多分盛期から晩年にかけての作だろうと思えた。 当代の吉左衛門氏の作風の祖形を伺わせる様子も見て取れた。 また新しい外箱には当代の箱書きが添えられていて、この茶碗が真物であることを証明していた。
 日頃、特別に”楽茶碗”を意識して作陶している訳ではないが、やはり茶碗を作っている限り”楽”は見逃せないし、忽せにできないものであろうと改めて思った。 とても興奮した幸せな一時であった、つくづくこの展覧会を開いて良かったと思った。 Y氏のご厚情に感謝。

会場風景
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by takodenkama | 2005-12-27 10:39 | 作陶日記 | Trackback | Comments(0)
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