2006年 06月 01日
木曜日(晴)25℃ これが、昨日の成果だ。 成就は突然にやってきた、何の前触れもなしに・・・・・恰も当然の成り行きであるが如くに・・・・・。 ついに黒楽で目標にしていた長次郎に迫ろうかと思える茶碗をモノする事が出来た。 ちょっとオーバーですが、ご愛嬌・・・ご愛嬌・・・。 本人はとてもマジです。 作陶を初めて丸二年、ど素人は怖いのである!。 なんと云う無謀さ、厚顔無恥、天衣無縫、頑迷固陋、ほかに形容詞が思い浮かばない・・・・・!!! (昔から人は私の事を、たぶんこう見ていたのだが・・・)。 それくらいに嬉しい一点が焼成出来た。 釉薬の錆と照りの加減、口縁部の起伏の自然さ、立ち姿。 見込みの削り、それらを整える、丁寧な押さえ。 支持感を裏付ける、きっかりとした右手小指の治まり。 等々・・・、 現在に至る知り得たあまたの約束事を踏まえて、さり気なく、自然体に、尚且つ挑戦的に、凛々しく。 魅力溢れる造形として存在する・・・一碗。 そんな作者の希求する姿としてこの茶碗は結実した。 早速一服、勝手流儀で茶を点てて喫した。 恐悦至極、まさに”領碧の歌”を実体験出来る世界・・・・・。 即ち、「本来無一物、亦無塵拂可、若能了達此、不用坐兀兀」 だ。 これが蛸田窯の作陶におけるモットーだ。 私たちデザイナーが仕事に取りかかる時に心がける基本的な5つの大切なことは、 ●知的で perceive 知覚する、気づく、認める;了解する。 ●説得力が有り persuasive 説得力のある、説得のうまい。 ●洗練されていて polite 丁寧な、礼儀正しい;洗練された、上品な。 ●細心で precise 正確な、細心な;几帳面な;寸分違わない。 ●すぐ判る prompt 敏速な、すぐ(喜んで・・・する);即座の。 です。 まさに、これらの具現は、こと陶芸に関して "ど素人の" 私にとってはとてつもなく、果てし無い挑戦となってしまっている。 ・・・・・今更引き返せない!。 仕事を投げ出し、寝食を忘れ、美術館を巡り、インターネットに齧りつき、古書漁りや、蔵書をひっくり返しての、真理の追求。 気が変になる程の、失敗の山々・・・。 こんな事あり得ない・・・と何時も自問自答し。もがき苦しみ、現業の世界では味わった事の無い辛苦に苛まれての作陶、いったいこれは何だと訝りつつ這々の体で到達し得た境地だ。 さて命名しよう、盛唐の詩人 "王 維" の「鹿 柴」と云う詩の中から最初の詩句「空 山」と銘名する。 ●黒茶碗:銘「空 山」 高さ 8.8cm x 口径11.3cm x 高台径 5.1cm 赤土 鬼板・松灰釉 焼成'06/5/31 鹿 柴 王 維 空山不見人 但聞人語響 返景入深林 復照青苔上 ひっそりとした山には人の気配もしないが ただ遠くの人の声だけが響いてくる。 夕日の照り返しが深い林の奥まで差し込み、 青い苔の上をまた今日も照らしていることだ。 最後の "復照青苔上" の句は、まさにこの陰影に富んだ深く黒い茶碗で、一服の茶を喫する時に相応しい。 かなり気に入っているので裏面も披露。
by takodenkama
| 2006-06-01 00:00
| 作陶日記
|
アバウト
カレンダー
検索
RINK
Flickr•蛸田窯
蛸田窯作陶日記(一) daï sugasawa つみ木 NA•DA designbacks 割烹「竹下」 ”枝魯枝魯” 京舞鶴池屋 TL125BIALSと懲りない仲間たち 八日市大凧会館 月読窯 *蛸田窯・兀兀へのメールはこちらから。 外部リンク
以前の記事
2020年 03月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 07月 2017年 04月 2017年 03月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 06月 2016年 05月 more... 記事ランキング
その他のジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||