2006年 06月 30日
金曜日(晴)23℃ 今日で六月も終わりだ。 このところ日記をつけていなかったのは特別な事情があった訳ではなく少々スランプに陥っていた為だ。雑念が・・・・・作陶の邪魔をしている。 新しく仕入れた志野赤土で茶碗を作ってみた。 結構粘りのある土で木篦で削った肌合いも良い感じだった。 志野と瀬戸黒と赤シリーズを各1点焼成してみた。 高台の削り具合もちょうど良い感じだったが焼成はどうだろうか?。 釉の喰い付きも適当でなんか好い感じだ。 焼成は匣鉢に入れて志野/瀬戸黒/セレン赤の順に積み重ね窯内の温度差を利用する事にした。 さすがに1200℃を超えるとセレン赤はだめで 途中1000℃で引出したのだが、昇温の急激さにも耐えられずほとんど発色しなかった。 又この赤のみは匣鉢の高さが合わず直に棚板に置いたのでそれも完全に発色しない原因のようだった。 志野と瀬戸黒はまずまずの出来となったので「銘」を付けて披露しておく。 志野には中唐の詩人”白居易”の「山泉煎茶有懐」から「有懐」(おもいあり)と、瀬戸黒には南唐の皇帝”李煜”の「浪淘沙令」から「蘭珊」(らんさん)を銘々。 本日の成果 茶碗:銘「有懐」 高さ8.8cm x 口径11.5cm x 高台径5.5cm 長石釉 赤志野土 焼成'06/6/29 山泉煎茶有懐 白居易 座酌泠泠水 看煎瑟瑟塵 無由持一盞 寄与愛茶人 座って清らかに流れる水を汲み 目の前で深い緑色のお茶を立てる この1ぱいのお茶を お茶好きの人に与えたいけど、すべがない 白居易にしては珍しくお茶の詩で、こんな美味しいお茶を飲みたければここに来なさい・・・と詠じ、自然の中での生活を満喫しています。 茶碗:銘「蘭珊」 高さ9.0cm x 口径11.5cm x 高台径5.2cm 鬼板・松灰釉 赤志野土 焼成'06/6/29 浪淘沙令 李煜 廉外雨潺潺 春意蘭珊 羅衾不耐五更寒 夢裡不知身是客 一餉貪歓 独自莫凭闌 無限江山 別時容易見時難 流水落花帰去也 天上人間 簾の外、雨がシトシトと降り、 春は移ろって行く。 薄絹のしとねは、夜明けの寒さに耐えられなかった。 ついさっきまで、夢の中で、囚われの身であることを忘れ、 つかの間の楽しみをむさぼっていたものを 一人欄干に寄り添って見渡すのはやめよう。 故郷との間には限りない川や山が隔て、より一層望郷の念が悲しみを誘う。 ひとの世では別れるのは簡単だが、二度と会うことは難しい 水は流れ、花びらは散り、それらとともに春は去りゆく 天上と人の世ほど隔たった、遠い彼方へ・・・ 国を滅ぼしてしまった南唐の君主 李煜が、春の夜のつかの間の夢の中で、華やかな昔の日々を取り戻したことを詠い、夢が覚めた後の悲しみを詠う。 *P.S., 「蘭珊」とは盛りを過ぎて衰えてゆく様。
by takodenkama
| 2006-06-30 15:12
| 作陶日記
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