2007年 04月 25日
火曜日(晴)17℃ 良い季節になって来た、59回目(通算287回)の焼成を行った。 下段の匣鉢には、新しく賀茂川石粉で調整した黒薬で施釉した茶碗1点入れ、上段には、これも使い切ってしまったので新しく調合した鬼板・松灰釉を施釉した茶碗、それに先日焼成したが景色の不足だった”無一物”風の赤楽茶碗「海量」の再焼成と合計3点の茶碗の焼成を試みた。 焼成温度はそれぞれで、赤楽は850℃で引き出し、鬼板・松灰釉は1150℃で引き出し。結局黒薬のものも1200℃で引き出してしまった。 久々に好天にも恵まれ快調な焼成となり満足いく結果となった。 特に鬼板・松灰釉を施釉したものは今までのものとは違い、思い切って薄めの生掛けにして、狙いどうりの結果を得る事が出来た。 早速”白楽天”の詩から「琴茶」と銘名して自らに一服献じ労をねぎらった。 黒薬の茶碗もそれなりに焼き上がったが、やはり少し温度が高すぎたようで、”長次郎”風の錆びた雰囲気とは程遠くなってしまった。1200℃で焼成中の窯を分解するのはかなり危険を伴うのでこのやり方は次回からは一考を要する。 赤楽の景色はその炎の加減が困難だが少し引き出すタイミングが遅かったかもしれない。 一応これはこれで佳しとしておこうと思う。雰囲気も変わったので、銘々は”王維”の詩から「行人」に変更する。 本日の成果 茶碗:銘「琴茶」 高さ 9.5cm x 口径 13.0cm x 高台径 5.5cm 鬼板・松灰釉 赤楽土/信楽土 焼成 '07/4/24 兀兀寄形群動內, 陶陶任性一生間。 自拋官後春多醉, 不讀書來老更閑。 琴裏知聞唯淥水, 茶中故舊是蒙山。 窮通行止長相伴, 誰道吾今無往還。 こつこつとして、形をよす、ぐん動のうち とうとうとして、性にまかす、一生の間 官をなげうってよりのち、春は、多くよい 書をよまざるよりいらい、老、更にかんなり きんり、ちぶん、ただ、りょく水 茶ちゅうのこきゅう、これ、もうざん きゅうつう、こうし、ながく、あいともえなり たれかいう、われ今、おうかんするなしと 茶碗:銘「無言」 高さ 9.0cm x 口径 12.8cm x 高台径 5.5cm 黒薬 赤楽土/信楽土 焼成'07/4/24 浪花有意千重雪 桃花無言一隊春 一壺酒 一竿綸 世上如儂有幾人 浪花はこころあり、せんちょうの雪 桃花はことばなし、いったいの春 一壺の酒 一竿のつりいと 世上にわれの如、幾人か有 茶碗:銘「行人」 高さ 8.9cm x 口径 13.2cm x 高台径 5.4cm 赤化粧/御本手朝日 楽薬 赤楽土/信楽土 焼成 '07/4/24 相送臨高臺 川原杳何極 日暮飛鳥還 行人去不息 相(あい)送(おく)りて 高台(こうだい)に臨(のぞ)めば 川原(せんげん) 杳(よう)として何(なん)ぞ極(きわ)まらん 日暮(にちぼ) 飛鳥(ひちょう)還(かえ)るに 行人(こうじん) 去(さ)って息(や)まず
by takodenkama
| 2007-04-25 00:04
| 作陶日記
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