2007年 06月 05日
火曜日(晴)25℃ 昨日、一昨日と大津に行って来た。 昨年の『百陶展』に来展いただいた級友の妻女の所望で「炎昼」をお届けに上がった。 もともと彼の家をデザインした5年前に、その玄関の壁嵌にぴったりの茶碗を作りたいと思った事が作陶を始めるきっかけの一つだったので、やっとインテリア・デザインの完成を果たす事が出来た”画龍点晴を描く”の心境だ。 とても喜んでいただけた、で夜は”大津プリンスホテルの38階”で大好きな琵琶湖を眼下に、妻と級友夫妻を交えて大散財。 まさに”顧況”の「登樓望水」の世界・・・・・・・とても盛り上がった。 今日は新しい薬の調合を手がけた。 未だ果たせていない、「長次郎の黒薬」 落ち着いた黒、錆びたかせ釉を自家薬籠中に納めたいとかねがね思っているので。 昨年のこの時期一度だけ「空山」と銘々した茶碗を焼成して、それらしい雰囲気は得る事が出来たが、確固たる再現性に乏しく未だ薬籠には納まっていない。 本日の成果 茶入:銘「嵌空」 高さ 7.8cm x 口径 3.2cm x 底径 4.5cm 外径 6.2cm 白萩釉/チタン青釉 赤楽土・信楽土 焼成 '07/6/05 山風吹遊子,縹緲乘險絕。 峽形藏堂隍,壁色立積鐵。 徑摩穹蒼蟠,石與厚地裂。 修纖無垠竹,嵌空太始雪。 山風が旅人のわたしを吹きつけ 高くはるかに、けわしい山の上にわたしの身をのっける この峡谷の形はそのなかに四方に壁の直立する殿堂をしまっているかのようであり その絶壁の色は積み重ねた鉄を立てたかのようである 上を見れば小道が青空をこすらんばかりにとぐろをまいており 巨石が大地とともに引き裂かれている 谷の底にはながくかぼそい竹林がはてしもなくつづき 太古以来の雪がすきとおらんばかりにうつくしくのこっている *嵌空=「玲瓏の貌」透き通るばかりに美しいさま 茶碗:銘「擲卻」高さ 8.5cm x 口径 13.4cm x 高台径 5.0cm 藁灰釉 赤楽土・信楽土 焼成 '07/6/05 鳥啼花發柳含煙, 擲卻風光憶少年。 更上高樓望江水, 故鄉何處一歸船。 鳥啼き花発いて柳煙を含む 風光を擲卻して少年を憶う 更に高楼に上って江水を望めば 故郷何れの処か一帰船 陽春鳥啼き花開いて柳に霞みのこめる頃、快い風光に対して、そぞろに少年時代を追憶するのは自然であるが、やがて失いつくした青春を回顧していると、為に風光に対するのさえ耐え難いような気持ちになる、面をそむけて風光にそむきたいような気持、即ち風光を擲卻して少年を憶うのは、少年を憶うて風光を擲卻するのである。そこで更に高楼に上って江水を見はるかすと、故郷はいずれの方角であろうか、江上にはただ見る一帆の帰船、彼方に遠ざかりゆくのみ。 三好達治「新唐詩選」
by takodenkama
| 2007-06-05 15:40
| 作陶日記
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