蛸田窯・作陶日記

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2005年 09月 29日

手捻りの白釉茶碗

木曜日(晴れ)22℃
 9月も瞬時にして過ぎ去ろうとしている、 ”何も出来てないのに時間だけが慌ただしく過ぎてゆく”ように思える、加齢のせいかしきりにこの事を感じてしまう。 早くも展覧会開催への焦りが出て来ていると感じている、困った事だ。 作品はほぼ100点出来ているというのに、さらに完成度を高めた物をと、ついつい強迫観念に苛まれてしまっている。用心用心・・・・・無作為の作為は何処へ行ってしまったのだろう。
 旅行に行ったりしてBlogのupが少しのびてしまったが作陶は続けている、今週は火曜日に蛸田土の素焼きと、生掛け白釉、志野、赤釉の焼成を試みた。白釉は光悦の「不二」に触発されて作ってみた物で、前回は白釉が剥離して物にならなかったので、今回は生掛けを試みた、おまけに上薬も素焼きせずに乾燥しただけで施釉してみた。 出来はちょっとどうかと思うが、面白い雰囲気になった、上薬を素焼きの時と同じように擦り込み施釉したので一部厚かった所や見込みは灰釉のように緑がかって焼き上がった、これは想定外で本来白くなってほしかった所だ、生地の赤土は色合いも良く焼けて、再挑戦の可能性を秘めている。  苔むして今にも枯れ倒れそうな松の大木にかすかに若葉が残っていて松頼が聴こえてきそうな雰囲気の茶碗と云った意味で「松頼」と命名。
 とても心配していた蛸田土は肌理細かく少し赤みのある、緋色の美しい素焼きとなった、大いに可能性があり本焼きをどのようにしようかと嬉しい悩みで一杯だ。



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手捻りの白釉茶碗:銘「松頼」 高さ 8.1cm口径 10.4cmx10.0cm高台径 4.3cm
       赤土/御本手土/黄の瀬原土 白釉 焼成 '05/9/27


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素焼きの出来た 赤土で作った2点と蛸田土で作った茶碗4点。


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昨日の成果、4点の茶碗 : 赤土・黄の瀬原土混練2点とその白生化粧1点と伊賀土単味1点。

# by takodenkama | 2005-09-29 07:31
2005年 09月 22日

蛸田粘土

木曜日(曇り)28℃
 荒木川源流で採掘した粘土は蛸田粘土と命名しておこうと思う。2.4kg単味で使い切ってしまった、茶碗5個が出来た、明日から連休なので焼成は来週以降になるが、蛸田窯の急上昇する高温に耐えうる土なのかどうか、どれくらい焼締まるのか、大いに悩ましい事だ。様子を観て混練も考えようと思う。

 今日は蛸田粘土で茶碗3点が出来た。
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# by takodenkama | 2005-09-22 17:18
2005年 09月 21日

蛸田

水曜日(晴れ)30℃
 私の住んでいる所は樫原蛸田町という住所です、全国に3ヶ所「蛸田」という地名を見つける事が出来ます、後の2ヶ所は九州と東北です。「蛸田」の言葉のいわれは蛸が吸い付くように粘り気の有る肌理の細かい粘土質の良い田圃と云った意味だと、樫原の地誌には説明されている。 蛸田町はその中央を荒木川が流れその沖積台地上に位置する、角倉了以が御土井を作りこの川を灌漑して付近の水利を図ったとした故事も紹介されている。 またここに居を構えた30年前には、毎日瓦を焼く赤松の煙がすぐ横で立ち上っていたが、ほどなく重油の窯になり現在は全て住宅地と変化してしまった。もちろん良い粘土が手軽に、豊富に採掘出来る好条件に恵まれた立地だった訳だ。 今日初めて手にした、蛸田の粘土は正にそんな粘土だった、キメ細かく粘度の高い綺麗な土だ。今日は取りあえず単味で茶碗を2点挽いてみた、焼成がとても楽しみだ。

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蛸田粘土で挽いた茶碗2点、色の違いは乾燥時間の差。

# by takodenkama | 2005-09-21 17:53
2005年 09月 20日

先週の成果

火曜日(曇り)30℃
 ここ一週間、少しずつ原型は作っていた。9月はあまり調子が上がっていないが、それなりに努力はしているつもりだ。 さすがに夏と違って乾燥も時間がかかり、このところ赤土の混練を多く用いているので時間を食っている。水簸した荒木川源流の粘土も気になっているが、こちらも未だ少し時間が必要だ。 そろそろ出品物の方も纏めに掛からなければならないが、焦る気持ちは未だ湧いて来ていない。もう少し原型を貯めて一気に片付けようと考えているので、今週の後半まで窯焚きは休みだ。


最近の仕事
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黄の瀬原土・中目・細目/御本手土/赤土の混練で作った茶碗3点。


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黄の瀬原土・細目/御本手土/赤土の混練で作った茶碗と水指。


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黄の瀬原土・細目/御本手土/赤土の混練で作った茶碗2点。

# by takodenkama | 2005-09-20 16:11
2005年 09月 19日

荒木川源流の粘土

月曜日(晴れ)32℃
 昨夜は中秋の名月、皎々とした満月の陰が我が家の上にも降り注いでくれた。 まさに、竹里館(王維)の世界であった、 「独坐幽篁裏。弾琴復長嘯。深林人不知。明月来相照。」殆ど忘れかけていた唐詩だが、百陶展のDMをきっかけに、また甦って来た。この漢字は私の記憶と少し違っているが、手元に詩集が無いので、急遽インターネットで調べた。明月でなく皎月だったように記憶しているのだが、もう一度本を引っ張りだして調べてみる。
 朝の散歩の時に、20年程前にニュータウンの開発のために、近くの竹やぶを切り開いている現場で、粘土が露出しているのを見つけておいた所へ、行ってみたところ、そこは開発されずに昔のままで、相変わらず粘土が露出していた、最近雨も降っていないので、乾燥していて、簡単に手で剥がすように採掘出来たので3kg程持って還って来た。 3月頃に八木の粘土を手に入れて茶碗に焼いてみたが、かなり気に入っていたので、この次は地元の粘土でと密かに狙っていた事が、思いがけず実現出来た。早速水簸して使ってみたい、今宵は何となく嬉しい。


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築30年を経た「竹里館」を昔と代わらぬ月が照らす。
 王維の詩集を引っ張りだして調べた、私の記憶違いで、これは正解だった、李白の「友人会宿 」  滌蕩千古愁,留連百壷飲。良宵宜清談,晧月未能寢。 酔来臥空山,天地即衾枕。と混同していたようだ。これも好きな詩だ。 
 ついでに9月9日の詩を見つける事が出来たので追加しておく。

 「9月9日憶山東兄弟」王維
 独在異郷為異客。毎逢佳節倍思親。遥知兄弟登高處。徧挿茱萸少一人。

# by takodenkama | 2005-09-19 18:06
2005年 09月 17日

DM & POSTER

土曜日(晴れ)23℃
 昨日、府立文化芸術会館から連絡が有った、12月の展覧会の正式名称を訪ねて来た、申し込みにいった時に含みの在る返事をしておいた為だ。それで正式に名称を「蛸田窯・百陶展」に決めた。 そこで気になっていたDMとPOSTERの原稿の準備を始めた、だいたいは昨年の第一回「蛸田窯・百碗展」と同じ構成のつもりだが、DMについては、昨日久しぶりに取り出して読んでいた「唐詩」ーその伝達の場ー鈴木修次(NHKブックス)の中の「題壁の詩」に紹介されている唐の詩人、豊干(ぶかん)の五言四句「壁上詩」を是非引用したいと思って考えてみた。
 これは唐代の’楽道歌’のひとつであったと考えられ、楽焼きで名高い「楽」家の命名の由来の根源であり、その長次郎の制作になる重文の茶碗「無一物」の命名の根拠となったで有ろうと考えうるものだ(あくまでも私見ですが)。
 読み下すと以下のごとくである、「ほんらい むいちぶつ、また ちりのはらうべきなし、もし よくここに りょうたつせば、ざして こつこつたるを もちいず」となる。「兀兀」とはひとつの事に専念する様をいう。

DMの試案(ハガキ 148mm x 100mm)
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 この詩には現在、私の内なるものが陶芸に求めている答えと相通ずる物が在るように思えて、それらを牽制し、戒める意味でもこの詩をDMに引用したいと考えた。あくまでも試案だがWebに流してみる。

POSTERの試案(B1サイズ 728mm x 1030mm)
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現時点では、限りなく焼締に傾倒しているので・・・・。

# by takodenkama | 2005-09-17 21:50
2005年 09月 13日

劫火

火曜日(晴れ)30℃
 今日は久しぶりに一段で焼成した。
 いつもどうり、炭は28ヶ(2kg)で40分程で850度、1時間で1050度を得られた。 赤楽には問題ない昇温だった、850度の方は、少し景色がつき過ぎかもと思えるが、赤色の発色も良く満足出来る焼となった。1050度の物は素地も黄の瀬原土が入っているので始めから少し高温での焼成を考え、赤色も濃いめになるように考えていた、楽薬を少し落とし過ぎて、やや艶消しが掛かったように焼き上がったがテカテカの艶よりは落ち着いて良いと思っている、景色もそれなりに変化に富み面白くなった。
 「劫火」とは長い時間炎に焼かれると云った意味で、この焼き物の焼けただれた窯変の雰囲気を表現出来るのではと思い名付けた。「炎々」も同じ意味合いで名付けた。


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茶碗: 銘「劫火」 高さ 8.7cm x 口径11.4cm x 高台径 4.9cm テラコッタ/御本手土 
      赤楽化粧/楽薬     焼成'05/9/13


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茶碗: 銘「炎々」 高さ 7.3cm x 口径11.7 x 11.2cm 高台径 5.0cm 
        黄の瀬原土/テラコッタ/御本手土  赤楽化粧/楽薬     焼成'05/9/13

# by takodenkama | 2005-09-13 21:18
2005年 09月 12日

左靼

月曜日(晴れ)26℃
 昨日、国政選挙、いつになく盛り上がって投票率もなかなか良かった、もちろん私も投票した。 郵政法案の可否が焦点のせいで、なかなか迫力が有って候補者選びも一苦労だった。
 昔中国で賛意を表現し味方する事を「左靼」といった、衣の左肩を脱いで賛意を表す事をいう。 今日早朝に出来上がった黒楽の、漆黒の茶碗に「左靼」と名付けておこうと考えている。
 志野と大貫入釉の茶碗も出来たが今一の出来だ。 あまり焼締ばかりやっていたので施釉のノウハウを忘れかけている、ボケが来ないうちに再確認、再確認。


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茶碗: 銘「左靼」 高さ 8.4cm x 口径 11.4cm x 高台径 4.9cm 御本手土/黒楽釉 
   焼成 '05/9/12


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茶碗: 銘「野分」 高さ 7.7cm x 口径11.5x10.7cm x 高台径 5.1cm 
      黄の瀬原土・御本手土/志野釉    焼成 '05/9/12


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茶碗: 銘「経筒」 高さ 8.2cm x 口径10.2cm x 高台径 4.4cm 御本手土/大貫入釉 
    焼成 '05/9/12



# by takodenkama | 2005-09-12 17:34
2005年 09月 09日

登高(重陽の節句)

金曜日(晴れ)35℃
 今朝、7時30分気温は25℃だった。昨日頑張って蛸田窯をリメークした。 前回は5月12日で焼成回数は42回だった、まだまだ側壁は使えそうだったが棚板の落下が続いたので再構築に踏み切った。 
 秋らしくよく晴れ渡った高い空、登高にはぴったりの天候だ、「登高」とは昔の中国の行事で、9月9日(重陽の節句の日に)茱萸(ぐみ)の実を髪に挿して近くの高い山に登って、遥かふるさとの方角に向かって家族の息災を祈る行事の事である。 
 「9月9日憶山東兄弟」王維
  独在異郷為異客。毎逢佳節倍思親。遥知兄弟登高處。徧挿茱萸少一人。
 先日来の不調を払拭すべく気合いを入れて新しい窯に挑んだ。焼き直しの黄の瀬原土を加えた水指と茶碗と黒楽を焼いてみた、初めての時はいつも煙が多く出るので少し緊張したが、2時間程で1300度をクリアー出来た。下段の棚板が真っ二つに割れて水指が落下したが、傷は浅く何とかなりそうな出来だ。緋色と降灰は狙った程度には得られた。茶碗の方は少し暗くあまり良い出来にはならなかった、それに両方とも歪みが強くなってしまった。


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茶碗;銘「茱萸」 高さ8.3cm x 口径10.6cm x 11.4cm 高台径 5.2cm 黄の瀬原土・御本手土
   焼締  焼成'05/9/09


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水指;銘「登高」 高さ11.4cm x 口径14.7cm x 15.7cm 外径16.5cm 黄の瀬原土・御本手土
   焼締  焼成'05/9/09


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茱萸と登高のセットで。

# by takodenkama | 2005-09-09 14:25
2005年 09月 07日

台風一過

水曜日(晴れ)32℃
 9月になって一週間が過ぎてしまった、ブログをサボっていた訳ではないのだがついつい雑事に追われてUP出来なかった。  この間、窯の修理や簀の子の新調、粘土と釉薬の追加など雑事をこなし、未焼成の素焼きも全て行ったので、一息ついていた。 簀の子はパンチングメタルの物も作ってみて、とりあえず素焼きに使ってみたが、結果は良好であった。 本焼きにも耐えうる物かテストしなければならない、蛸田窯は取りあえず底と天は断熱材を新しくした。側壁は準備は出来ているが未だ組み立てていない。次回焼成の時は全てを新しい物にして行う予定だ、棚板も。 昨日は台風14号が九州に上陸して多大な被害をもたらした、今日も未だ日本海に有って強い風が時折吹いている。 以前に作ったリストの整理も出来、いよいよ再始動に取りかかる。 素焼きの出来上がっている物は今日現在、茶碗14点、水指1点が本焼きを待っている。 
 昨日、台風に閉じ込められている間に手捻りで2点と轆轤で1点、水指を1点合計4点を、新しく来た伊賀土で物にした。


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伊賀土で挽いた茶碗と水指。

# by takodenkama | 2005-09-07 10:23